最後に放射線技師として、俯瞰して見て、放射線技師の数にも過不足があるわけで、今後どう改善していくべきだと考えていらっしゃいまか?

いや~、難しいねそれ。今って結構機械が押せ押せな時代だから。ディープラーニングとか…。言ってしまえば、放射線技師なんてAIがやってしまえば撮影とかも最適なものを組んでもらって良い条件作って撮れちゃうんじゃないかとか。だからもう放射線技師なんていらないじゃないかっていう時代に今後突入して行っちゃうんじゃないの?って。そんな中で機械に負けずに生き残るためには、技師として、医療人としての温かみだったりとか、そういうサービス性の充実だったり、機械に負けないくらいの技術力を身に付けるっていうことなんですよね。例えば一般撮影だと、人が違えば関節の見え方だったりとか、マンモグラフィもそうですが、一人一人身体の形が違うので最適な撮り方が変わりますよね。そういうのを機械に負けないくらい技術力を身に付けていかなければいけませんね。知識もそうですけど。

研究で言えば、自分が臨床の現場に立った時に、どういうところに問題があって、どういうことを研究すれば今困っているものが解決するんだろうとかっていう、問題を自分で見つけ出して、解決する能力を身に付けられる学生を育てたいなっていうところですかね。

 

それはどういったスケールででしょうか?何がきっかけで育まれていくものですか?

それはね…わたしにもわかんない。まだ探している途中です。私も、大学の教員、教育者でありながら、研究者でもあるので、研究者としてどういうところに本題があるのかを見出して、良い研究ができるかっていうのは今後の課題なんですけど、研究者としての目線ってあんまりまだ自分でも備えてないなっていうのは思っていて。

問題を見つける、日々疑問を持つっていうのはなかなかすぐやろうとしてできることじゃないので、慣れなのかもしれませんね。普段から”あれってなんでそうなのかな”とか、アンテナ張ってみることなんじゃないかな?だから私もそこに関しては今探しながらやっている状態です。

 

先ほども話に出たんですけど、「女子なんかそんな修士に行く人なんかいないよ」って言うそんな人へ向けた何かメッセージをお願いします。

 私は自分が大学院に行って、良くなかったなって思ったことは何もないんですよ。ほんとにメリットばっかりだったんです。今の仕事に就けたのも大学院に行ってたからだと思うし、音楽の寄り道もしてましたけど、その寄り道にいい結果をもたらしてくれたのも大学院に行っていたからなので、プライベート面も包括的に見て、大学院には行ってよかったなって思っているので…。

病院で働く上でも、修士を持っていて研究者としての目線をある程度持っている人って、例えば研究を仕事しながらやるってなったときにワンランク上のちゃんと確立したところからできるようになるのが有利な部分だと思います。それを女性としてできるっていうのはかっこいいことだと思うので、技師になる上でも修士まで行くっていうのはいいことだと思うんですよね。メリットばっかりだから、もし興味があるのだったら、婚期とかを臆せずに(笑)行ってもらうのもいいなって思います。

あと、私のような教育の現場に行くっていうときも、本当に貴重な存在になります。女性の先生って少ないんですよ。駒澤もそうですし、うちもそうなんですけど。やっぱり女性の先生に教えてほしいことってあると思うんですよね。例えばマンモの授業とかをおじいちゃん先生から教わるのってやっぱりちょっと抵抗ありませんか?(笑)

 

(男性の先生から教わるのは)抵抗がありますし、もうそういう時代じゃないですよね。

そうですよね。そういうこともあって女性の先生のニーズって高まってきているのかなと感じます。

だからもし教員にも興味があれば有利だと思いますよ!病院で女性を欲しがっているのと同じように、教員も女性を欲しがっていると思います。

 

最近は高学歴化していますが、まだ古い考え方をするかたもいらっしゃるので、「女性のくせに修士なんか取って」と思われていると感じたことはありますか?

 ないですね。仕事する上で言われたことはないです。修士まで行ってると“修士まで行ってるんだ。勉強熱心なんだね、好きなんだね”って評価されるし、(放射線取扱主任者)1種を持っているとすごいねって話になってくるから、学歴とか、資格とかは持っていれば持っているだけ評価されますよ!

 

本日は、普段お聞きできないような貴重なお話をお伺いし、大変勉強になりました。

ありがとうございました。