当時行っていた研究について教えてください。
「そうですね、研究は大好きで、大好きというか、最初はあんまり好きじゃなかったんですけど、でも徐々にわからないことが、わかるようになってきたり、一つの研究をすることによっていろんな友達ができてくるんですよね。
院内だけではなく外部の病院の人たちとすごく仲良くなったりして、お世話になったりして、かわいがってもらっていました。なので、院内の先輩同様、外の先輩にすごくかわいがってもらうようになって、それで何かあるんじゃいかというふうに思い、今に至るということです。
研究って、わからないことがわかるっていうこともあるんだけど、それのプラスαのものがすごく大きいですね。
人とのつながりとか、あとは思いもよらないことで、お話を頂いたりします。例えば、『どこかで講義・講演して下さい。』だったり、少しでも自分のやってきたことがみなさんのためになるんだったら幸せだなって思います。そういう風なことに繋がって行くかなって思います。」
実習と実際に働くことの違いを教えてください。
「今は、実習が参加型じゃないですよね。見学型の実習になっています。要は実習生が患者さんに触れることができない。ただ、いずれ参加型になって、実習生が患者さんに触れて、例えばポジショニングができるような実習になってくると思うんですけれども。大きな違いはそこかなと思います。
こんなこと言ったら批判が出るかもしれませんが、実習に来るときによく先生方がおっしゃるんですよね。『ポジショニングができなきゃだめ。』とか、『技師さんとおなじようなことができなきゃだめ。』みたいなことをいう先生たちもたくさんいます。
でも僕はそうではないのではと思うところも少しあります。なぜかというと、それを目の当たりに見に来るのが実習だと思うからです。で、それを経験してもらうのが実習だと思うからです。学校じゃ経験できないと思うんですよね。なので、来て、一緒に学んでもらう。わからないことは積極的に聞いて、少しでもそういうことをできるようになってもらう。
患者さん役を診療放射線技師がやって、こうだよと教えてあげることが実習なんじゃないかなと僕は思います。そこで知り得れば良いんじゃないかなと思うところもあります。
ただ、学校の先生は、より良く学生さんをみてもらいたいということもありますし、評価もしてもらいたいというのもありますし、できるだけ良い状態で送り出してあげたいという気持ちが強いから、そういう風にしてくれていると思うんですけど。僕だけの意見かもしれませんけど、『そこは現場に任せてくださいよ。』と言ってもいいのかなと、本当は思っています。でも、実際に実習説明会で言うかと言われたら言わないですけどね、卑怯だから。(笑)」