一種以外に持っていると良い資格はありますか。

「(手話やっていますという学生に対し)手話とか持っているといいと思うよ。あと外国語、喋れたらいいね、中国語、英語、韓国語とか、この辺とかはもっとくといい。手話は最高だね。うちにも1人いるけど引っ張りだこだね。技師じゃなくて事務の人だけど。」

 

5つの部門に分かれて仕事をしているとおっしゃっていましたが、その中の人間関係はどのようになっていますか。

「今はとても良いです。誰一人として他の人の悪口をいう人はいません。管理者の僕がスタッフ全員を褒めるというのは変かもしれませんが、例えばここに1つしかお菓子がないとしたら誰もがそれを自分よりお腹が空いている人に譲るという心を持っています。そのくらい優しい人ばかりです。

そうなったのには理由があります。昭和大学には至誠一貫という建学の精神があり、それは『真心を尽くし質の高い医療人の育成をしましょう』ということです。相手の立場に立って色んな事に接するようにという理念を持っています。現統括部長からも「とにかく人のために尽くしなさい、自分のことより相手のことだ」と言われていて、これを常日頃から言い続けることが大切だと思います。なので、毎朝スタッフには「思いやりにあるスタッフになってください」という一言を言い続けています。私が各部門の責任者たちにこう話すと、現場に戻った責任者たちが朝礼で各スタッフに、「思いやりのある人になってください。自分の得はかえりみず、人のために生きるようにしてください」と伝えてくれます。そうすることで、いいスタッフが成長してくれるのです。

ただ、僕が入ってきた当初はぎくしゃくしていました。勉強する派閥、勉強しない派閥があって、勉強する派閥に入ると、勉強しない派閥の人たちが一切口をきいてくれないとか、勉強する派閥の人たちは技術を教えないとか、頓珍漢な時代もありました。それがだんだんなくなってきて、今では派閥というのもありません。だから、実習生には自信をもってこの病院を薦めています。」

 

お休みの日は何をされていますか。

「奥さん孝行ですね。しないと捨てられてしまいますので…(笑)

あとは、スタッフの研究がたくさんあるのでそのメールのやりとりをしたりしています。

自分のためには時間を使わないんですよ。趣味を持たないといけませんね。」

 

学生時代にやっておくべきことは何ですか

「遊ぶことです。もちろん勉強はしないといけません。なぜ遊んだほうがいいかというと、幅の広い人になるかなと思うからです。

経験をすると人として大きくなると思います。ただ、バイトしすぎて進級できないのでは困りますので、そこは見据えて取り組んでほしいですね。いろいろな経験をしてきて下さい。」

 

診療放射線技師の認定資格が色々ありますが、昭和大学では資格を取っている人はどれくらいいますか。

「大半は取っていますね。今、認定技師は乳房撮影の資格以外、経験年数が決まっていて、その年数を超えている人はほとんど取りに行っていますよ。乳房撮影の資格は1年目からどんどん取りに行っています。昭和大学のいいところは先輩方が頭を押さえないということです。やりたいものに関しては積極的にやってもらいます。なので、入ってくると同時に、修士の学校に行く人も今までに2人ほどいました。そういう子も専門学校の子もやる気のある子はいくらでも取ります。」

 

認定を取りに行くかは病院ごとに分かれるものですか。

「そうですね。一番大きいのは、上司がとっていないとスタッフも取りづらいということです。昭和大学では上司からスタッフが認定を取りにいくように積極的に声掛けをしています。」

 

本日は、普段お聞きできないような貴重なお話をお伺いし、大変勉強になりました。

ありがとうございました。

 

写真:佐藤久弥技師長、他インタビュー参加学生

撮影:福井 唯夏