藤井さんの子供のころから、現在までにご経歴を教えていただけませんか?(続)

看護師さんも男の先輩とか後輩には手伝うんだけど、私が行った時は、初めはなかなか手伝ってくれなくて。仕方がないから若い看護師さんが入ってくると仲良くしながら、色々教えて、洗脳?して「早く偉くなって~!」みたいな(笑)

下谷病院で業務に慣れてくると先輩が技師会や技術学会の役員をしていたので、一緒について行くと役員を頼まれることが多く、技術学会東京支部はそのころから、もう30年ぐらい役員やっているのかな。

東京都の技師会も一時期入っていて、名古先生たちと編集委員をしていた時に、目立ちすぎて売名行為だとか一部の人に中傷されて「そこまで言われるならいいか・・・。」と辞めてしまったのだけれど、この10年くらい前からまた色々なイベントなどに呼ばれて、総会の議長やったり発表やったり、技師会雑誌の原稿書いたりなどのお手伝いしているうちに縁があって日本診療放射線技師会の理事に就任することになりました。

何かを頼まれたとき、自分で出来なさそうなことってあるじゃない?でもね、「これは自分の専門外だから受けたくないなって思っても、まあいい経験だからとりあえずやってみようかな」と考えるようにしているの。最悪、出来なかったらごめんなさいして辞めることは出来るから、やらないで「出来ません」って言うのは勿体ない。はじめから出来ないのは、分かっていて、向こうも頼んで来ている筈なんだよね。この歳だとさすがに出来ないとは思わないだろうけど、若いときは出来ないのが当たり前だから。

これから先、あなたたちが「これやって見て」って言われても、完璧にやれることを期待してお願いしているわけじゃないから自分がやれる精一杯を返せば、「よく頑張ったな!」という評価をもらえて「じゃあ次これもやって見る?」ってチャンスが来ると思う。一つ一つ自分なりにやっていけば知らないうちに実力もつくし知らない間に認められてくる。私はそうやって来て今がある。初めは何も考えてなく何も出来なかったけれどね。

恥をかけるのは若いうちだから、むしろわからない事を「教えてください!」って言う位でもいいよね。文句言われたり、何か質問されても、それを逆手にとって「教えてください。お願いします。」と言えば質問した人が責任もって教えてくれるから聞くことは大事。そこで失敗を恐れたり、自分が出来ないのが恥ずかしがったりすると逆に前に進めなくなる。出来ない事を分かっていてのオファーだと思えば怖くないから。絶対チャレンジしてみて!

 

東京臨海病院での診療放射線技師の主な仕事内容を教えてください。

一般撮影、マンモグラフィー、透視検査、血管撮影、CT、MRI、超音波検査、RI、放射線治療等の業務があります。

私自身のスケジュールは、午前中のほとんど超音波検査に従事しています。マンモグラフィー以外ほとんどX線を使わないので診療放射線技師じゃないみたいだけど(笑) 午後もそのまま超音波検査の時もあるし、マンモグラフィーと乳房超音波検査についている時もあります。なんとか人手があって検査が回っているときは技師長としての管理業務をやらせてもらっています。

ほとんどの病院が超音波検査は臨床検査技師科が従事していますが、当院は、心臓以外の超音波検査を診療放射線技師が行っていることかしら。

他の検査は、装置の操作ができれば、マニュアル通りにすればすればとりあえずは検査できるけれど超音波検査は、解剖を知らなきゃいけないし、ここがどの部分で自分は何を見ているのか、更にどの病気があるってところまで分からないと検査が出来ないんですよ。しかもみんな標準的な体じゃないのでやせている人もいれば太っている人もいるじゃないですか。太っている人は太っている人用に検査していかなきゃならない。

そして、所見レポートを作成しなければならないので、「読影」という行為は、あたりまえというかできないと検査できないし、逆に検査してはいけないです。

 

 

 

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