先程、国家試験の話が出ましたが、他に、放射線技師において取っておくと良いと思う資格はありますか?

放射線に関しては、1番は『取扱主任者試験』かな。あとは、医療情報のやつも今出てきましたよね。あれを持っていると結構就職にも有利だし。うん、今大学病院だと書類審査で1種とかもってないと面接試験にはいけないとかいう病院もある。

 

今は医学物理士もあるじゃないですか。どう思いますか?

医学物理士は修士だから、学部のときはそれほど気にしなくても良いとも思う。医学物理士って日本の場合はどっちかっていうと放射線治療関係なんだよね。

海外だと医学物理士って一般撮影の方にもいるし、CTとかMRIの方にも医学物理士はいるんだけど、日本の場合は放射線治療発祥だから治療がメインになっているんだよね。医学物理士≒治療っていう感じかな。だから、「放射線治療の勉強を頑張りたい」というんだったら医学物理士のコースに進むのもいいと思う。

 

過去、病院での失敗談はありますか?

んー。悪いこと忘れちゃうからねえ(笑)。まあ、新人の頃は女性の技師さんが結婚して旧姓から苗字が変わったりするでしょ。そこの違いが最初は分からなくてね、「○○さんいますか」って言われたときに「いません」とか言っちゃてね。後から聞いたらあの人だったっていうことがあったかな。

 

女性の技師さんは当時結構いたんですか?

自分が勤めていたときは4人くらいいたかな。21人の職場だったんで大体2割くらい。でもその当時としては多い方だったのかな。今は病院によっては半分以上が女性っていう病院もあるし。

 

女性の技師についてどう思いますか?

いや、非常にありがたいと思います。例えばセクハラなどの問題が起きにくい。肌を見せる職場だから、男性だとあの人目つきが怪しいとか言われちゃうとアウトだし、時代的に。昔はそんなことなかったんだけどね。

特に今マンモグラフィとかもそうだけど、検診だと女性の技師さんしか撮らない。がんセンターとかそういったところになると男性の技師さんが撮っても文句言われない。それはなぜかっていうとがんセンターっていうことは、命がかかっているからもう男性だ女性だっていうことを気にしている場合じゃないよっていうところがあるから。お医者さんは男性でも文句言われないですよ。

女性の技師さんは必要数以上の人数が必要な時代だと思う。さっき言ったように4人の職場なら+α人女性を増やすようにしていかないと、やっぱり結婚・出産とかで産休や育児休暇に入っちゃったりすることもあるから、+α人増やしていくように病院側に認めてもらうように技師長さんとかも働きかけていかなてはいけないとは思う。女性がいなかったらいま、放射線治療もそうだし、一般撮影の方もそうだし、たぶん仕事が回らないんじゃないかなぁ。

女性では問題にならないと思うけど、男性技師がスマートフォンをいじっていると「スマートフォンで写真を撮っていたんじゃないか」という投書が来たり、新聞とかに載ったりする事がある。本来はそういうところでいじっちゃいけないので、使っている方も意識が低いのだけどね。昔は携帯もないから、そういうことはなかった。僕も阪神淡路大震災のボランティアに参加したときに、「何かあったら」って思って初めて携帯持ったくらいだしね。

 

首都大学東京 健康福祉学部准教授 根岸徹先生 ⑥へ