一緒に働きたいと思える人材は?

「さっき言ったように場の雰囲気を作ってくれる人がいいですね。一番大切なのはON,OFFの切り替えができること。今言ったように、患者さんの前でゆるくては困りますけど、ずっと気を張っているっていうのも疲れてしまうので、場の雰囲気を作ってくれる人は大事です。加えて同じ価値観で仕事できる人はいいと思います。多少ベクトルがずれていてもそれは新しい発見になるから、みんなが同じ方向を向いている必要は無いと思うけれど、価値観の共有は大事だと思います。ただ、やるなら楽しく仕事したいじゃないですか。だから楽しい人がいいよね。駒澤の子がいいよね。」

 

外からみた駒澤はどうですか?

「駒澤がどういう風に見られているかっていうのは、ちょっと難しいところですね。まあ、率直にいうと、「病院がないよね。」っていうところ。でも多分そこまでだと思いますよ。要するに「駒澤の子だから、どんなデメリットがある、でも逆に、ここは良い。」っていうような選び方をするようなことは多分なくて、やっぱりそこは個人個人を見ているんじゃないかなと、思います。先ほど言った、その駒澤の「色」っていうのはあくまでも僕の主観であって、皆がそういう共通の認識を持っているわけではないんですよ。だから、別に病院がない大学だって言っても、引け目に感じることは全くないですし、もっというと駒澤出身で実績を残している先輩もすごく多くいので。すごい先輩たちが現場で頑張ってくれているので、病院を持たない大学だからといっても、肩身の狭い思いをする必要は全くないと思います。」

 

学生に向けてのメッセージをお願いします。

「20歳にしかできないことたくさんあると思います。たくさん遊んだ方がいいと思いますよ。ただ遊びだけで勉強全くしないはダメです。でも逆に勉強だけして全く遊ばないのもよくないと思います。皆さんは若いんだから、全部欲張って総取り。寝る間をおしんで勉強と遊びに勤しんで欲しいと思います。」

 

今後の展望は?5年、10年後のビジョンなど

「それはですね〜、入社の時に面接管にも、同じことを聞かれました。するどい質問ですね(笑)。その面接の時も答えたのですが、実はあまり先のことは考えていないです。もちろん「ノープランで進む」のじゃなくって、ある程度のベクトルは持っています。そのベクトルっていうのは、MRIという装置をもっと深く知りたい。ただそれだけなんです。で、その過程の中で、目の前のことを一つずつやってきた結果が今に至るってだけなんです。大きな目標を持ってやるっていうのもすごく大事なことだと思いますし、いいことだと思いますが、僕の場合そこを目標にしてしまうと、それがゴールになってしまう気がして・・・。ゴールにたどり着くと、達成感で満足してしまうのでは?と思っちゃいます。だからあえてゴールは設定せずに、今できることを、一つずつやって行けるところまで行こうかな、と言うのが僕の仕事のスタイルですかね。」

 

その行けるところまでっていうところは、どんなイメージなんでしょうか。

「わかんないです、本当に、自分自身も。例えば、さきほども少し触れましたが、仕事を始めてから10年間はほとんど遊んでいました。それが今では大学で非常勤講師をして、診療放射線技師をやめて企業に勤めているわけですから・・・。20代の時に、今の僕の現状をイメージなんか出来ていません。だから今も行きつくところがどこになるかは全くイメージできていません。ただ、今やらなければいけないことっていうのはすごくたくさんあって、それを一つずつ積み重ねてどこまで行くのかなと、自分でも楽しみにしています。」

 

学生に指導する上で工夫していることはありますか?

「まず自分の理解が難しかったところが学生も難しく感じているのではないかなと思っています。だから自身の理解が難しかった部分をどうやってかみ砕いて説明していくかというところに注意して教えているつもりです。ただ一方で、駒澤大学の実験では、MRIの講義を受けずにいきなり実験に入るじゃないですか。基礎知識が無い学生に対して、あの短時間の間にゼロから基礎を作って実験を行うというのは、実はなかなか難しい作業だと思います。っていうか、教わる側もハードでしょ?いきなり聞いたこともない、励起だの緩和だのって言われてもさ、なんですかって感じでしょ(笑)。」

 

今日の話から少し脱線しますけど、カリキュラム的なちょっと問題もありますよね。二年生だと、まだ習っていないですよね(笑)。

「ん〜、少し基礎を作っていただけると、実験にも入りやすいかなとも思います。でも僕は与えられた環境でやるしかないので(笑)。」

 

以上で、本日のインタビューは終わりです。本日は、お忙しいところありがとうございました。

 

写真:五十嵐 太郎さん、他インタビュー参加学生

撮影:福井 唯夏